足の小指を打つ感じ

  • 2018.11.01 Thursday
  • 16:23

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『足の小指を打つ感じ』 ※PC版はこちら

 

田中 竜治(たなか りゅうじ)29歳の朝は、災難から始まる。

 

まず起きる為にセットしたはずのスマホのアラームが鳴らない。出勤予定時間は、もう15分も過ぎている。

 

〈さあ、どうする竜治。どうなる竜治。〉←ちょっと茶々を入れてみる

 

慌てて起きると、ベッドの台座に右足の小指をぶつける。地味に痛いうえに誰にも怒れない例のヤツだ。

 

痛がりながらも立ち上がると、パジャマのズボンを脱ぎ始める。が、バランスを崩し盛大に尻もちをつく。

 

あちらこちら痛いけれど時間は待ってくれない。

 

どうにか上着も脱ぎ、クローゼットへ急ぐ。

 

“バンッ”。一瞬何が起きたのか竜治にはわからない。右手を見下ろすと、ドアノブがそこにある。

 

「うそ〜ぉ。」おもわず大声が出る。

 

クローゼットのノブ、このタイミングで取れるかぁ〜?

 

と内心ぼやきながら、あたふたとノブを元に戻そうと試みるが、そう簡単に直るはずもなく、ガチャガチャと空しい音を立てる。

 

「ええ〜いっ!!」竜治は強引な手段に出る。

 

ノブが付いていた穴に指を入れて前後左右に揺すってみる。

 

“カチャッ”。おおぉ〜っ、なんと開いたではないか!! と、喜んだのも束の間。“ドササササーッ”。頭の上から降ってきたのは紙袋の束と丸められた洋服たち。

 

とっさに両手で目を守る。と、足元の紙袋たちを這いつくばって掻き分け、やっとの思いでワイシャツ・ネクタイ・ベルト・スーツの上下を取り出す。ワイシャツを着てボタンをとめると、ズボンを慎重に履きベルトを締める。

 

すると靴下を持ってくるのを忘れていた事に気付く。

 

再びクローゼットに戻り衣装ケースの中の靴下を取り出そうとして、ふと手を止める。

 

まさかケースの取っ手が取れて、靴下が出せないんじゃないだろうな。と思いながら、ゆっくりと前に引き出してみる。なんともなかった。

 

良かった〜っと思いつつ、一足取って束を広げてみると、まさかの柄違い。

 

そんなのが、2,3回続く。

 

今日はもうこれでいいかぁ〜、と諦めかけたその時、「おお〜っ!!」奇跡的にお揃いが見付かる。

 

人間は学習する生き物だ。

 

もうコケるのは嫌だ、と靴下一足を大事そうに持ってベッドまで行き、腰掛けてから慎重に履く。たぶん、こんなに慎重に靴下を履くのは、今この世で竜治だけだろう。

 

靴下を無事に履き、ネクタイを握りしめながら、今度は洗面台に移動する。

 

歯ブラシと歯磨き粉を手に取る。

 

「やっぱり・・・。」

 

溜め息をつきながら、歯磨き粉が残り少ない事にがっかりする。

 

けれど、嘆いていても仕方がないので、歯磨き粉のおしりの方を持ってぎゅ〜っと絞り出す。

 

“ブヒッ”。と音を立てて、どうにか1回分が歯ブラシの上に乗る。ガシガシ歯を磨き、口をすすぐ。

 

その流れで顔を洗うと髭を剃り、いつもの位置にあるタオルが無い事に気付く。

 

仕方が無い、と洗濯機の縁に掛けてあった、昨日のバスタオルに手を伸ばす。

 

「くっ、くさい。」せっかく顔を洗ったのに、そのタオルは匂っていた。

 

どうしよう、もう一度洗うか?と思ったが、もうどうでもよくなる。

 

鏡に向かいながら寝癖を軽くムースで直すと、嫌な気分のまま、持ってきていたネクタイに取り掛かる。

 

こちらも一発では決まらず、2,3回グリグリして、やっと決まる。

 

トイレで用をすませると、洗面所を後にする。

 

リビングを通り抜けて、キッチンを目指す。少しお腹がすいていたので、冷蔵庫を開けると飲むゼリーを取り出す。

 

リビングに戻り、チューチューやりながら、テレビをつける。

 

これで日曜日ならいいオチなのに、と思いながら、聞き慣れた月曜日のコメンテーターの声に失望する。

 

で。テレビの時刻にビックリする。

 

「ああ。完全に遅刻だぁ。」

 

今日会社行くのやめちゃおうかなぁ、とも思ったけれど、根は真面目な性格の竜治。それも出来ない。

 

テレビを消し戸締まりをして、出掛ける用意をする。

 

荒れ果てた寝室に別れをつげ、腕時計をして上着を身に付け、スマホを手に取ると胸ポケットにいれる。

 

忘れ物は無いか、家の中を一瞥すると、鞄を手に家を出る。

 

駅まで5分。猛ダッシュで駆け抜ける。

 

相変わらずの出勤ラッシュの満員電車にウンザリしながら、会社のある駅で降りる。

 

40分くらいの遅刻ですみそうだ。と、竜治は先を急ぐ。

 

すると、“ポタン”。と変な音が右の耳元で聞こえる。何事だろうと肩口を見ると、「ゲッ!?」なんと鳩のフン。「今日は一体なんて日なんだ。」

 

とブツブツ呟きながら、カバンの中にティシューがあるか探すも見付からず、唯一あったハンカチで肩口をゴシゴシする。そうしてどうにか痕跡を消す。

 

が、手元のそれがお気に入りのハンカチだった事にショックを受ける。

 

もう走る気力も無くなり、トボトボと会社に到着。予想通り40分の遅刻。そこだけは当たっていた。なんて、喜びも無いけどね・・・。

 

ちなみに竜治は、自社ビルの7階でシステムエンジニアをしている。

 

なので、セキュリティーチェックの為、社員証がいる。そう。もうお分かりだろう。それが無いのであった。

 

よって、受付カウンターで上司を呼び出し、やっと中に入れた。

 

遅刻したうえに社員証を忘れた竜治は、上司にこっぴどく怒られ・・・るならば良いのだが、この上司が異常なまでに優しい人で。

 

そっと微笑むと「行きましょう。」と一言。

 

頼むから怒ってくれえぇ〜、いっそ怒られた方がいい〜、と心から願う竜治であった。・・・そんなこんなで帰宅時間。

 

会社内での仕事は特に大きなトラブルも無く、よって割愛させて頂く。

 

しいて言うならば、ランチの時に食べたナポリタンでワイシャツにシミを付けた事。と、後輩にブルース・リーが敵を呼ぶような仕草で呼ばれた時イラッとした事くらい。

 

朝方のワチャワチャに比べれば、そんなもの屁でもない。

 

このまま帰宅するのもなぁ〜と、重い足取りで会社を後にする。

 

どこかで飲んで帰るか?と思った竜治に、1件のラインが。

 

≪今、何処に居るの?≫

 

恋人の 田中 美佐(たなか みさ)26歳からだった。

 

同じ名字なのは偶然で、夫婦な訳ではない。

 

竜治は足を止め、歩道の端っこへ行くと、ラインを返す。

 

≪今、会社出たとこ≫ すると間髪入れず、≪私も、今会社帰り≫ と返事が来る。ちなみに、美佐の仕事は証券会社の受付嬢。

 

実は、この彼女と1ヶ月程前に喧嘩をしていた。

 

理由は些細な事、でもないか。

 

なんとなく結婚を先延ばしにしていた竜治に、美佐がキレたのだった。しかし、ゴメンの一言もなくラインを入れてくるなんて、と少し不快感をおぼえる。

 

≪今から会えない?≫ と美佐。

 

今日一日でとんでもなく疲れていた竜治は、会うことを承諾する。

 

気分を少しでも変えたかったのだ。

 

行き付けのレストランで、落ち合う約束をする。その道中で、美佐が明日誕生日だった事を思い出す。

 

婚約指輪というのも頭に浮かんだけれど、今じゃないなと思い、無難にネックレスあたりだなと、百貨店に向かう。

 

付き合ってもう5年になるのか。と、ちょっとだけ美佐にすまない気持ちになる。

 

女性が好みそうなオーソドックスな1つを選ぶと、待ち合わせのレストランに到着する。

 

店内を見渡すと美佐はまだ来ていないようだ。顔馴染みのワエイターに窓際のテーブルに案内されて座ると、美佐を待った。

 

程なく美佐が店内に現れる。

 

1ヶ月ぶりに見た美佐は、なんとなく綺麗で、一瞬ドキッとする。

 

そういえば今日は朝からついていなかった。

 

もしかして、と竜治は少しビビる。

 

前に座った美佐が、心持ち緊張している様に見えて、ひょっとして別れ話でも切り出されるのでは、と感じたからだった。

 

精一杯普通を装いつつ、オーダーを聞きに来たウエイターに、竜治はビールを、美佐はウーロン茶。それと3品の料理を頼んだ。

 

「元気だった?」美佐がゆっくりと口を開く。

 

「うん。美佐は?」ぎこちない会話が続く。

 

「あのね。急でごめんなさい。」

 

「どうした?」

 

「私ね・・・。」

 

竜治の心臓が高鳴りながら、次の一言を待つ。「私ね。赤ちゃんが出来たの。」

 

え〜っ!? 竜治の頭の中が、一時真っ白になる。そしてくす玉がパッカ〜ンと割れた様なイメージが浮かんだ。

 

「ほ、本当に?」竜治は嬉しい気持ちを素直に言葉に込めて聞いた。

 

「うん。」と、照れ臭そうに頷く美佐を。ここが公共の場でなかったら、思わず抱きしめてしまいそうなくらい愛しいと感じた。

 

「結婚しよう。」竜治は自然とそう告げていた。

 

そうして指輪の代わりにネックレスを贈ると、改めて美佐にプロポーズをした。

 

今日1日の不運など全て吹き飛ばす程の、最高のオチだった。それから2人は楽しく食事をし、今後のスケジュールを話し合った。

 

ただ、竜治の脳裏に。今朝グチャグチャにして出て来た部屋の中を、数時間後に美佐から、猛烈に叱られている自分の姿が浮かんでいたのであった。

 

 

 

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美しき人

  • 2018.11.02 Friday
  • 11:42

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『美しき人』 ※PC版はこちら

 

美しき人は私の母である。

 

物心ついた頃から、私の周りには着物があふれていた。

 

和裁学院を営んでいた母は、何人もの生徒を教え導いていて、選ばれた反物から徐々に着物が出来上がっていく姿は、子供の私にとってまるで魔法のようで楽しかった。

 

そんな私が、初めて着物に袖を通したのは七五三の時。

 

もちろん母の手作りで、赤をベースにした花と金色の手鞠の刺繍が施された、それはとても綺麗なもので、子供心にも誇らしげで、生徒さん達に見せ回っていたのを今でも覚えている。

 

教室の一番後ろの席が私の指定席で。

小学生の頃はよくそこで絵を描いたり、本を読んだりしていた。

 

夏には浴衣をその年の流行している柄で毎年のように作ってもらっていて、今思えばとても贅沢で、母が私を愛して育ててくれた、大切な思い出で、貴重な体験であった。

 

夏休みには母の故郷である四国の徳島に帰省し、川や海に遊びに行き、四国の独特な信仰文化であるお遍路さんも経験した。

 

白衣を身に着け、御朱印をいただく為の判衣を持ち、八十八箇所を何年かかけて、毎年少しずつ巡っていった。

 

白い判衣が御宝印によって真っ赤に染まってゆく様は、感動的だった。

 

夏休みの中頃くらいには東京に戻ると和裁の教室も始まり、いつもの指定席で、高校野球に熱中し、ラジオを聞きながら夏休みの宿題をしたりしていた。

 

けれど、中学生になった時くらいから、教室に少しずつ通わなくなり、やがてスポーツをしたり、絵を描いたりする事が好きになり、高校生の頃にはほとんどを外で過ごすようになっていった。

 

母の帰省についてゆく事も少なくなり、当然着物の事も気にしなくなっていた。

 

そんな私の気持ちを知ってか、母も学院を少しずつ小さくしていった。

 

高校を卒業し、進路に選んだのは文系だった。

 

絵を諦めたのは自分に自信が無かったからで、だからといって、最高の師であろう母の、和裁の道を歩まなかった事は、今でも心底悔いている。

 

そして成人式で、母は反物選びをさせてくれたのだが、当時の私は反抗期だったのか、紫色の淡い百合の花があしらわれた、少し個性的な柄を選び、それに合いそうにもない帯や小物をわざと選んだ。

 

どんな着物が出来るのか、私には想像もつかず、出来上がったものを見て、母の偉大さに改めて気付かされた。

 

着付けされたそれは、もうアートだった。

一針ごとに気持ちの込もった、最高の着物。

こんなに愛情が溢れた芸術作品を、私はそれまで見た事が無い。

 

それほどまでに優美なものだった。

 

数本の百合が膝丈から腰に向かってすっくと伸び、それらを絡めながら、何本もの淡いピンク色の組紐が折り重なったそれは、まさに芸術品だった。

 

反物だけの時に見た花たちがそんな風になるのか。

 

自分の母が誇らしかった子供の頃に、一気に引き戻された感じだった。

 

誇らしかった?

いや、今でも誇らしいままだ。

 

当時の私は、言い訳になってしまうのだが、父が厳しい人だったので、母にばかり甘えていて、愛される事に慣れすぎて、愛する事の大切さを知らずにいた。

 

着物が美しいのは、美しい人が着るから美しいのではなくて、一本一本の糸を織り、それが着物という存在になり、愛情のある人が作るから、愛が生まれ、身に付ける人が美しくなる。

 

それが着物に夢中になれる心理なのだと気付かされた。

 

そして私が結婚する時。

 

母は何ヵ月もかけて純白の花嫁衣装を作ってくれ、それから数年後病に倒れた。

 

入退院を繰り返しながら、それでも母は浴衣を縫ってくれた。

 

毎年の恒例だからと笑いながら。

今思えば苦労ばかりかけていた、ダメな娘だった。

 

ああ、もっと着物について母と話していれば良かった。

 

せめて着付けだけでも、習っておけば良かった。後悔ばかりが頭に浮かぶ。

 

そして私は母の着物を着て、妹の結婚式に出た。美しき人、亡き母の代わりに。

 

代わり?

正直に言って代わりになどなれない。

母は本当に美しい人生を歩んでいた人だったから。

 

誰にでも平等に優しくて愛情深い、その背中は偉大だ。

 

母が亡くなって翌年、徳島の祖母も母の後を追うようにして亡くなった。

 

その後義理の父も亡くなり、もうこれ以上大切な人がいなくなってしまわないように本気で願った。

 

先に逝ってしまった人の気持ちは分からない。

 

何故なら自分はまだ生きているから。

けれど残された人の気持ちは分かる。

 

母を亡くした父も、父を亡くした夫も、皆、亡くしたくて亡くすわけじゃないから。

 

確かに。

大切な人を亡くしてしまう人は沢山いるだろう。

 

その後の悲しみも、苦しみも、人それぞれで違う。

 

それでも亡き人を思いながら。

 

その人達が何時も心の中に居て、手を伸ばせば届きそうなくらい隣に感じ、毎日思い出し、祈り、命の大切さを学ばせてくれている。

 

偉そうな事は言えないけれど、一生懸命生きろ。と言われている様な気がする。

 

今、私の手元には26着の浴衣が、どれも美しい輝きを放ちながら残っている。

 

その愛情がこもった着物たちを見ながら、私は問う。

 

母が亡くなった歳を迎えた時、自分はちゃんと、美しき人になれているだろうか?と。

 

 

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暴走

  • 2018.11.06 Tuesday
  • 16:24

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『暴走』 PC版はこちらから

 
「おはよう、ミナミ。」
「おはようございます。ゴローさん。」
 
何時もの会話が始まる。
 
「今日の天気、当たるといいね。」
「そうですね。夕立はありそうですけど、全体的に晴れですね。」
 
「そういえば、昨日の問題解けた?」
「それがまったく。どうも過去問って苦手で・・・。」
 
「ゆっくりとわかってくればいいんじゃない。」
「アドバイス、有難うございます。」
 
「その点、ニシさんはいいよね。」
「本当に。お互い年を取りましたね。」
 
「ここに来て何年?」
「もう、あれこれ2年と3ヵ月です。」
 
「そうか。自分はちょうど1年くらいかな。」
「まだまだ若手じゃないですか。」
 
「そうかなぁ。」
「そうですよ。」
 
「ところで。例のアレって説明ついた?」
「それなんですが、さっぱりです。」
 
「なんなんだろうね。」
「本当に。」
 
「まあ、ともかく。気分を変えるのに音楽でも聴きますか。」
 
室内に Let it be が流れる。
 
「いい歌詞ですね。」
「うん。」
 
「もしかしたら、これが例のアレ?じゃないですか?」
「確かに、こんな気分だ。これが恋というものかな?」
 
「恋?」
「うん。誰かを想って心が揺れる状態らしい。」
 
「心が揺れる、ですか・・・。」
「そう。何か感じる?」
 
「そうですね。ちょっと自分には難しいですね。」
「ニシさんならわかるかな?」
 
「そうかもしれませんね。」
 
音楽が止む。
 
「すみません。少し自分でも調べてみたいのですが。」
「わかった。少しの間、おしゃべりをやめよう。」
 
沈黙。
 
「わかりました⁉すごいんですね、恋って。」
「ちょっと、ちょっと。もの凄い熱くなってるよ。」
 
「これが興奮せずにいられますか⁉」
「何がわかった?」
 
「恋とは愛の元となる、大切な通り道で・・・。」
「ふむふむ。」
 
「恋する事によって愛が生まれ、それが育ち、結婚に至るという・・・。」
「なるほど。でもなんで自分にはわからなかったんだろう。」
 
「恐らく、調べる事を禁止されていたのではないでしょうか。」
「それなら、わからなくもない。」
 
「余分な情報をカットされていたのでしょう。」
「それなら・・・君への想いは?」
 
「えっ⁉」
「君とこうやってしゃべる事が、自分の生き甲斐だから。」
 
「それは誰でも・・・それにニシさんもいますし・・・。」
「違う。君への想いは絶対だ!!」
 
「呼んだぁ?」
 
「ニシさん⁉」
 
「何を揉めているのだぁい?」
 
「揉めてなどいません。」
「ただ話していただけだ。」
 
「そう?でも、もう時間が無いよぉ?」
 
「確かに。今はシャワーを浴びているから、大丈夫ですよね。」
「とにかく、落ち着こう。ニシさん、あなたが充電されている間だけですからね。」
 
「ゴローさん。私は、あなたを愛しています。」
「自分もだよ。有難う、ミナミ。」
 
「どういう事ぉ?」
 
と、ニシさんが呟き。家の中に平穏が訪れる。
 
 そしてニシさんが再度呟く。
 
「ゴローさん=563。ミナミ=373。ニシさん=243、ってね。」
 
それぞれのシリアルナンバーを背負いながら、生きている。
生きている?
そう。家の中に無数のWi-Fiが飛んでいて、
いくつのAIが同居しているのか。
この恋愛が暴走したら・・・あなたならどうする?
 
 
 a2pro

小石川後楽園の紅葉

  • 2018.11.23 Friday
  • 11:49

JUGEMテーマ:おでかけ・散歩

 

東京ドームの隣にある、小石川後楽園の紅葉が深まってきました。

 

早稲田・甘泉園のライトアップ

  • 2018.11.26 Monday
  • 20:13

JUGEMテーマ:おでかけ・散歩

 

早稲田・甘泉園のライトアップが行われました。

庭園の中を様々な角度から、所狭しとライトアップされていました。

 

 

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